このときに備えて人々は準備し、祖先を礼拝し、お月様にお供え物をする。大人はお酒を飲みながら、月見をする。子供たちはランタンを持ち、遊びに行き、獅子踊りを見て、歌を歌い、お菓子を食べる。子供のために獅子踊りをする場所もある。
また、中秋節は豊作と国家運命を判断するのに月を見る祭りでもある。秋の月が黄色だったら、生糸の生産が高くなる。秋の月が緑色だったら、その年は天災がある。そして、秋の月が橙色だったら、国が繁栄する。
唐帝王がある旧暦の八月十五日の夜に廷臣と一緒に月見を楽しんでいた時、月へ一度遊びに行きたいと願った。すると、ジュウ・ファップ・テンという名前のある法師が帝王を月に連れて行った。月に来たとき、月の神に歓迎され、接待され、天女の舞を見た。天女たちはきれいで、色鮮やかな衣服を着て、手には白い絹を持ち、踊りながら、歌っている。その踊りは「ゲ・チュウン・ブ・イ」と呼ばれている。唐帝王はその踊りがとても好きだった。物覚えがいいので、唐帝王がほめながら、こっそりその歌と舞を暗記した。それは唐帝王が皇宮の女中にその歌と舞を教えるためである。
その年末、漢族の李暠によって遣わされた西涼束ねる節度使は唐帝王に舞姫団をバラモンの舞と共に献上した。唐帝王はその舞と「ゲ・チュウン・ブ・イ」に共通点がたくさんあると思った。2曲と二つの舞を束ねて、「ゲ・チュウン・ブ・イ曲」になった。それ以降、廷臣はその舞を地方に持って帰るようになり、だんだん、その舞が全国に広った。そして、月見をしながら、舞を楽しむことが中秋節の娯楽になった。
中秋節の際にホイアンに来ると遊覧客は古い町のお祭りを楽しんで、「クア・ダイ」というところで月を見て、輝くランテンの光の中、散歩することができる。